Son of the Smith Hard Cider 

“KEEP IT HAZY”

Spec

サノバスミス キピヘイジ

LOT: KH-2010A

Style:ダブルニューイングランドスタイルホップサイダー/ Double New England style hopped cider

ALC: 7.5%

Apples: シナノリップ、浅間クチーナ、ブラムリー

Yeast: K701(Japanese sake yeast)

With: Homegrown Cascade and Nugget, American Hop

Story

「サノバスミスSP キピヘイジ」は、特別醸造を施す「SP」ラインの1作目。果物を丸かじりした時のような、ジューシーな味わいが特徴のDouble New England style hopped ciderです。

 

バーボン樽から抽出した渋みと深みを下地として、リンゴ品種由来の酸味と果実味に、日本酒造に欠かせない「きょうかい701号酵母」由来の華やかで繊細な香りと、ホップの柑橘味・植物感を溶け込ませました。時間の経過や温度によって変化する、複雑な香りのレイヤーや風味が楽しめます。

 

Hazy、すなわち霞。

先が見えないこの道のりで、一歩一歩を踏みしめるように続ける探求の日々。

同じ条件は二度と揃わない、厳しい自然環境と対峙し続ける農業。

豊作と安寧への祈り、自然への畏怖はどんな時もこの胸に。

けれども好奇心と心躍るbeatsに乗っかって、日々を丁寧に味わうことも忘れたくない。

だから、たまには力を抜いて、Keep it easy, Keep it hazy。

Brewer's Note

本バッチを解説する上で重要なポイントは「醸造用タンニン」、「Late Harvest」、「唾液分泌」、「Keep it Warm」の4点です。

どうぞゆっくりと確かめるようにお召し上がりください。

 

「醸造用タンニン」は酸化防止の役割を果たす

“醸造用タンニンの主な供給源は、リンゴ(プロシアニジン類)とオーク材(エラグ酸、ガリック酸等)の2つであり、渋さ、熟成において酸化を防ぐという重要な役割も持っている。” (1)

今回の作品では、バーボン樽熟成で獲得したオーク由来のタンニンによって液全体が酸化から保護されています。

 

「Late Harvest」の遅摘みホップで、フローラルな香りを強化する

レイトハーヴェストとは、収穫時期を遅らせる行為のこと。“遅摘みホップのカスケードは、メロンやフローラルな香りが強化される。” (2) 

収穫時期を操作できるのは自社栽培の強みですよね。そんなサノバスミス好みのカスケードをふんだんにダブルドライホップし、フローラルなアロマと共に畑を感じさせる香りに仕上げました。

 

「唾液分泌」とタンニンの関係性

ベースとなるリンゴは酸味の強い品種。酸っぱい香りは唾液分泌を促進します。唾液とタンニンは舌上で結合し、離れたときに渋みを認知するので、唾液分泌が多いとタンニンをより感じやすくなります。また、唾液は食欲増進作用があるので、本作品は食前酒にぴったりです。

 

「Keep it Warm」、 飲み頃の温度帯

冷蔵温度帯からスタートして、その飲み頃は16℃~20℃付近です。この時に、ホップに隠れていた樽香が徐々に姿を現します。

香味:唾液を出す、酸味・甘味を想起する畑の香り。ホップ香に潜む樽香を少しずつ体感。

苦味:遅摘みカスケードでフローラルな柑橘系の苦みと畑を体感。

酸味:リンゴ由来の酸味で口内洗浄。唾液分泌でタンニンへの感度を上げる。

残香:ホップ、りんご、日本酒酵母、バーボン樽が混ざった香水のよう。

 

<参考文献>

(1) A. Versari, W. du Toit, G.P. Parpinello. Oenological tannins: a review. Australian Journal of Grape and Wine Research. 2012, 19, 1−10. doi: 10.1111/ajgw.12002

(2) Sharp, D. C., Townsend, M. S., Qian, Y., & Shellhammer, T. H. Effect of Harvest Maturity on the Chemical Composition of Cascade and Willamette Hops. Journal of the American Society of Brewing Chemists. 2014, 72(4), 231−238. doi:10.1094/ASBCJ-2014-1002-01