(007)は、Porter’s Perfectionのみで主発酵後、秩父バーボン樽で1年間熟成させた原酒と、ブレタノマイセスで主発酵させたYarlington Mill原酒をブレンドしました。使用したブレタノマイセスは、パイチェリーやトロピカルフルーツのアロマ、マイルドなファンキーさが特徴的なImperial Yeast社の“Suburban Brett W15”。
リンゴの栽培に1年、主発酵とバーボン樽熟成に1年、瓶内での熟成に2年、と畑から延べ4年を経て満を持してのリリースです。
バーボン樽に使用したアメリカンオークはフレンチオークと比べて年輪幅が広いため、短期間で樽成分抽出量が得られることから、熟成によって力強い樽感を獲得できます。秩父バーボン樽で1年間熟成した原酒は、初期の頃は樽のニュアンスが強すぎてバランスが崩れていましたが、ブレタノマイセスと一緒に瓶内で熟成させることでタンニンが絶妙な質感にまとまりました。
(007)は、(006)よりも濁ったオレンジ色で、土っぽさ・柑橘を想起させるアロマがあります。温度帯によってタンニンの質が変化していき、冷温では樽由来の苦みが先行したあと果実由来の渋みが遅れて追随しますが、温度帯が上昇するとこれらを同時に感じることができます。果実由来のリンゴ酸と渋味・苦味のバランスが絶妙で、穏やかなファンキーさとともに全体のまろやかさを感じることができます。低温で開栓したのち、16℃程度のやや高めの温度帯でお楽しみいただくと最もバランスよく味わえます。
アストレンジェンシー(渋味)を有するPorter’s Perfectionと、ビタネス(苦味)をもたらす木樽。この2つのタンニンの質を探りながらじっくりとお楽しみください。