(008)は、Porter’s Perfectionのみで主発酵後、秩父バーボン樽で1年間熟成させた原酒と、ブレタノマイセスで主発酵させたYarlington Mill原酒をブレンドしました。使用したブレタノマイセスはWyeast社の”3278”。こちらはベルギースタイルのエール株、シェリー株、2種類のブレタノマイセス株などを含んだベルジャンランビックブレンドです。
リンゴの栽培に1年、主発酵とバーボン樽熟成に1年、瓶内での熟成に2年、と畑から延べ4年を経て満を持してのリリースです。
バーボン樽に使用したアメリカンオークはフレンチオークと比べて年輪幅が広いため、短期間で樽成分抽出量が得られることから、熟成によって力強い樽感を獲得できます。秩父バーボン樽で1年間熟成した原酒は、初期の頃は樽のニュアンスが強すぎてバランスが崩れていましたが、ブレタノマイセスと一緒に瓶内で熟成させることでタンニンが絶妙な質感にまとまりました。
(008)は、透き通るようなオレンジ色で、花の蜜や熟したリンゴのアロマがあります。リンゴ由来の渋味が先行したあとに木樽由来の苦味が追随します。リンゴ由来の酸味とこれらの渋味・苦味のバランスが非常に優れており、液体の温度帯に関わらず滑らかなニュアンスを発し続けます。温度帯は8℃程度の低温からお召し上がりいただくのがおすすめです。
アストレンジェンシー(渋味)を有するPorter’s Perfectionと、ビタネス(苦味)をもたらす木樽。この2つのタンニンの質を探りながらじっくりとお楽しみください。