ラスモスは、過去作のボタニックブンブンヘッドで得られた知見を応用したスモークドボタニカルサイダーの第2弾です。
私の地元である丸子町では、信州国際音楽村で毎年ラベンダー祭が開催されており、私も授業でラベンダーの収穫に参加したことがあります。その時、ラベンダーを一緒に植えてハチを引き寄せることで、イチゴの受粉を助けるという話を知りました。イチゴとラベンダーは相性が良い様で、サイダーに混ぜてみるのを試したくなり、私の子供の頃の思い出をラスモスで表現してみました。
ラベンダーはオリジナルのおなじみのサンガインセンスから、イチゴはASTROBERRY社のサマーリリカルを使用しました。煙には空気よりも軽い質量の煙と重い質量の煙があり、ラベンダーの場合は、軽い煙には樟脳(カンファー)や龍脳(ボルネオール)が含まれ、重たい煙には酢酸リナリルが含まれており、ベルガモットの様な甘い香りが漂います。煙を発生させる際には火の温度が重要であり、燃焼温度が高いと香気成分が炭化してしまいます。そのため、お線香のようにラベンダーを焚香する際は、少量の樟脳(カンファー)や龍脳(ボルネオール)を加え、多量の酢酸リナリルを分煙してラベンダーと共にサイダーに溶かし込みました。フジとサマーリリカルを日本酒酵母で主発酵した後、乳酸菌オエノコッカス・オエニを投入してMLF(マロラクティック発酵)させると、浸漬させたラベンダーの重たい煙とラベンダーの成分が見事に調和します。