2026 年最初のリリースは、国産ボタニカルを使用したサイダーです。2023 年に白馬の落倉で採取したカエデ樹液との出会いが山への思いを深め、2025 年から日本国土の 75%を占める『山』の恵みをモチーフとした研究開発がスタートしました。
この取り組みの延長上にある「サトヤマリサーチ」は、日本の里山にある様々な植物を素材としてハードサイダーを醸すプロジェクト。これは発酵学的な冒険でもありつつ、植物学的なリサーチでもあり、はたまた、人と山のユニークな関係を巡る文化人類学的な計画でもあります。
今作は、リンゴ、梅、あんずに加えて、亜高山帯に生育する針葉樹であるシラビソをフィーチャーしたボタニカルサイダーです。
グラスから立ち上るのは、リンゴ、梅、あんずの柔らかな果実香に、シラビソやホップ由来の爽やかな針葉樹のニュアンスが重なったアロマ。口に含むと、きめ細かな発泡と滑らかなテクスチャーが調和し、農村の静けさや里山の風景、そしてこれから訪れる春の穏やかな風を思わせる、淡く心地よい余韻が静かに続きます。
志賀高原(標高約 800〜2,341 m)は、雪と標高に適応した亜高山帯針葉樹林の象徴的な地です。2025 年 6 月、生物多様性と循環型社会の構築に取り組む株式会社 National Park Solutions の玉井さんと、西発哺温泉ホテル(1962 年創業)の元オーナーである関さん達とともに、シラビソを採取しました。
使用した果実についても、山と里をつなぐ関係性を大切にして設計しました。あんずは長野市「やまさ農園」の関 博文さん、南高梅は群馬県安中市・安中榛名エリアのHOMEBASEさんが手がけられたものを使用しています。
リンゴにあんずと梅を加え、各果実に付着した野生酵母によるミックスファーメンテーションが織りなす複雑さに、シラビソとホップの香りが折り重なります。亜高山帯の針葉樹林と、その麓に広がる果樹園や里山。このあいだを往復しながら、山の樹勢と発酵の営みを一杯のグラスに映し取ることが、このシリーズのテーマです。里山のリサーチと山の恵みの探究は、今後も続けていきます。